カラオケって何?
私が関わっているグループやコーラスの生徒さんたちとお話ししていると、カラオケの話しが
けっこう頻繁にでてきます。
「カラオケでマイクを使えばうまく歌えるけれど、一人でピアノ伴奏で歌うと緊張してします」
とおっしゃる方も多く、また逆に、「歌うことが大好きでコーラスなどのキャリアはあるけれども、
カラオケで歌うとぜんぜんオンチになってします」とおっしゃる方もそれ以上に多くいらっしゃ
います。
そこで、「カラオケ」とは一体何なんだろう?という疑問がわいてきました。そう言う私も、実は
「カラオケ」はあまり好きではありません…というかほとんど行ったことがありませんし行きたくも
ありません。
確かに現代の社会なり文化にとっては必要不可欠なシステムなのだとは思いますが…。
もともと「カラオケ」というのは、ある歌手が歌ってレコード化やCD化された曲を、そのままその
歌手の声の部分だけを取り去って作られたオーケストラ伴奏のことです。
「カラオケで歌う」ということの本来の意味は、オーケストラ伴奏に合わせて、もともとその歌手が
歌っていた声の部分を埋めるように歌うことにほかなりません。そして、このオーケストラ伴奏は、
そもそもそのオリジナル歌手の特徴や個性に合わせて作られたり編曲されたりしている伴奏
です。「オリジナル歌手の特徴や個性に合わせて」の意味は、言いかえれば、その歌手の声質、
音域、その歌手の歌い方や雰囲気やクセなどなど…すべてを充分に生かしきれるようなかたち
で…ということになります。
もちろん最近のカラオケでは、音域やキーを自由に上げ下げできる便利なシステムや、マイクの
エコーのかかり具合を自由に変えられるシステムなどが充実していますので、ある程度は器械が
歌う人に合わせることができます。しかし、だからといってカラオケの器械が要求しているもともと
の性質は変わりません。むしろ器械が充実している分だけ歌う側が気分良くモノマネできるように
なっているのだと思います。
カラオケの一番の長所は、私たちが一時スター的な気持ちで思いっきり声を出すことができる。
そしてストレス解消したり、もやもやを発散できることでしょう。
声という自分の楽器で演奏する「歌」とは、少し違ったところに意味があるのかもしれません。
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