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担当課長が答えます
業務を進めていく上でふと浮かぶ「素朴な疑問」から、都政の重要課題への「真摯なご意見」まで、あらゆる疑問、質問に対して、事業を担当する課長が直接回答します。<「担当課長が答えます」の目次へ>
(平成14年1月21日)
質問!
これからの都庁の電子化はどうなるんですか?
第2回 IT活用 〜TAIMSがやってきた!〜
<TAIMSに関する職員の皆さんの疑問を解くために、今回は、IT推進室情報システム担当の二階堂課長にお聞きしました>
−IT推進室では、簡単にいうとどんなお仕事を担当されているのでしょうか
TAIMSの通信路以外の部分のハード、ソフトを主に担当しています。
−そうすると、今、本庁舎内で職員全員に配布されているTAIMS端末についておききすれば何でも分かるのですね。
・・・
−それでは、まず、今回のTAIMS展開を担当された感想は。
何気なくやっているように見えるかもしれませんが、実は世間から見てもとんでもない大変な事件なんです。約9000人の人が数か月のうちに、いきなり一つのバーチャル・コミュニティーで結ばれてしまうんですから。
例えば、総務局職員全員にTAIMS端末を配備したのは12月の10,11日でした。そして、全員が設定を終えた頃を見計らって、12日の朝には大関局長から局職員全員にメールが届いていました。局の総務部長も同じ課の入都3年目の職員も同時に全く同じ内容の局長の指示を受けていることになるんです。もっとすごいのは、課長や係長を通さずに職員が局長に直接、返事を出せてしまうのですから。
9000台以上を結んだ大規模LANというのも、業界筋では話題になっています。もちろん、自治体では最大規模になるはずです。
−職員に配られたTAIMSパソコンの選定にあたっては、どんなところに一番配慮されたのですか。
担当者は、「普段着のパソコン」ということにこだわっていたようです。
パソコンのハードウェアのスペック(仕様)は、どこのメーカーでも一番多く普及して販売しているレベルです。マニアやパワーユーザーはかなり不満でしょうね。基本OSは、WindowsXPとさせてもらいました。大抵の市販のパソコンに採用されていて、参考書もどこの本屋に行っても置いてある、家に帰って家族にきいても誰かが知っている、そんな環境を実現したかったのです。
−そのお話からすると、LotusNotes(ロータスノーツ)というソフトを通していろいろな業務を行うように設計されていますが、矛盾していませんか。
全てを個人で使われているソフト体系で作り上げることも検討しましたが、組織で仕事をすること(グループウェアの導入)や職員が自分自身であることを証明しながらパソコンを使えること(職員個人認証)を実現するためには、このソフトの導入が不可欠でした。ビジネス利用でのシェアは第一位です。結構、奥の深いソフトです。どんどん活用してください。
−ユーザーである職員の皆さんにどのような使い方を期待しますか。
ボールペンと同じように、使いこなしていただければと思います。
メールが使えるだけでもかなり仕事のやり方が変わるはずです。時を越え、距離を越え、組織や職層という制度すら越えてしまう不思議な道具です。使いやすいように、あるいはいろいろなことができるように、使用上の制限を緩和しています。例えば、適正なソフトは必要に応じてIT推進室への協議なしにインストールすることを可能にしました。アイデア次第でかなりのことができるのではないでしょうか。
−前向きなお話は結構なのですが、心配な点はないのでしょうか。いくつかあげてください。
「あっ、都民の個人データを流してしまった」、「コンピュータウィルスを呼び込んでしまった」、なんていうのは怖ろしい話ですね。外部に宛てた電子メールは公文書というのも忘れていただきたくないポイントです。
−何か言い残したことはありますか。
来年度後半には事業所に9000台つなぎます。
すいません。あと、少しお待ちください。
小さな箱ですが偉大な箱です。開けないとただの邪魔な箱です。100%使い切ってください。
−ありがとうございました。
(以下 次回に続く) <第1回>