◆　Das Traumbild

夢の姿

1.お前はどこにいるの？ぼくの前に立っていた姿よ

ぼくが庭で夢を見ていた時

ぼくの野営地に生えていたローズマリーを

ぼくの髪の毛に絡みつけたあの姿は？

お前はどこにいるの？ぼくの前に立っていた姿よ

ぼくの心を覗きこんで

暖かい少女の手を

ぼくの頬に押し付けていたあの姿を？

2.今、ぼくは悲嘆にくれて、お前を探している

村の菩提樹にも

町にも　愛しい姿よ

ぼくはどこにもお前を見つけることができない

ぼくが覗いたどの窓も

ヴェールがただなびいているだけ

ぼくのかわいい彼女は

どこにも探し出すことはできない

3.こちらにおいで、夜の甘美な姿よ

天使のような表情で

軽やかな羊飼いの装いで

ぼくの前に現われた時の！

白鳥のような白い手で

ぼくの心を奪っていった

深紅の胸のリボンと

すみれの花束を持って

4.お前の大きな青い二つの眼を

中から天使はのぞいている

とても親しみやすい額はうなずいて

おやすみを言う

愛のパラダイスのあの口を

そこに天国が開けている

あのかわいい頬のえくぼを

みんな持ってきておくれ　ぼくの恋人！

1.Wo bist du, Bild, das vor mir stand,

als ich im Garten träumte,

ins Haar den Rosmarin mir wand,

der um mein Lager keimte?

Wo bist du, Bild, das vor mir stand,

mir in die Seele blickte,

und eine warme Mädchenhand

mir an die Wangen drückte?

2.Nun such ich dich, mit Harm erfüllt,

bald bei des Dorfes Linden,

bald in der Stadt,　geliebtes Bild,

und kann dich nirgends finden.

Nach jedem Fenster blick ich hin,

wo nur ein Schleier wehet,

und habe meine Lieblingin

noch nirgends ausgespähet.

3.Komm selber,süßes Bold der Nacht,

komm mit den Engelmienen,

und in der leichten Schäfertracht,

worin du mir erschienen!

Bring mit die schwanenweiße Hand,

die mir das Herz gestohlen,

das purpurrote Busenband,

das Sträußchen von Violen.

4.Dein großen blaues Augenpaar,

woraus ein Engel blickte;

die Stirne, die so freundlich war,

und guten Abend nickte;

den Mund, der Liebe Paradies,

die kleinen Wangengrübchen,

wo sich der Himmel offen wies:

Bring alles mit, mein Liebchen!

作詞　ヘルティー （Ludwig Heinrich Christoph Hölty 1748-1776）

作曲　モーツァルト　（Wolfgang Amadeus Mozart 1756-91）

ＫＶ５３０　演奏時間　約4分

1787年11月6日　プラーハで作曲

「ドン・ジョヴァンニ」を初演するためにプラーハに滞在中に友人ジャカンのために作曲した

モーツァルトの死後（1803年頃ジャカンの歌曲集として出版されているものもある

自作目録には「Taumlied」と書かれている

有節歌曲

◆ 構成と分析

Es-dur 6/8　22小節　演奏時間：約4分

第１部 1小節〜10小節 　10

第２部 11小節〜20小節 10

後奏 21小節〜22小節　　2

【第１部】

1〜2小節（前奏）→�T→�X_７→�T　分散和音＋音階で額縁を作っている

3〜4小節→�T→�X_７→�T　分散和音（上行型）

5〜6小節→上行音型で半終始

7〜10小節→�X度調（B-dur）に転調　疑問形

【第２部】

11〜12小節（間奏）→伴奏部右手の半音階　終始形（B-dur）

13〜14小節→�T→�X_７→�T　分散和音（下行型）

15〜16小節→�X_７→�T下行音型で終始

17〜18小節→歌の旋律は7〜8小節と同じ動き（4度上で）、伴奏部分は反行型

19〜20小節→歌の旋律は下行音型を使って完全終始

21〜22小節→11〜12小節に対応、伴奏部右手の半音階　終始形（Es-dur）

ほとんどが�T度と�X度でできている（飾りが少ない）　直線的

うたの贈りもの（笹子）