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Als Luise die Briefe ihres ungetreuen Liebhabers verbrannte
ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時
熱い空想から生まれて 熱狂的な時間に この世に連れてこられた 憂鬱の子供たち(手紙)よ! −
地の果てに行きなさい! − お前の存在は(愛の)炎のおかげだ: 私は今、再びお前を炎にかえそう あの熱狂的な歌もすべて; なぜなら ああ!
− 彼は私にだけ歌ってくれたのではなかったから。 お前たちは今、燃えている、 そしてやがて 愛する者たちよ ここには跡形が何もなくなるのだ。 けれど ああ! お前たちを書いたあの男は おそらくいつまでも私の胸の中で燃え続けるだろう。
Erzeugt von heißer
Phantasie,
in
einer schwärmerischen Stunde
zur
Welt gebrachte – geht zu Grunde! –
ihr
Kinder der Melancholie!
Ihr
danket Flammen euer Sein:
ich
geb’ euch nun den Flammen wieder,
und
all’ die schwärmerischen Lieder;
denn
ach! – er sang nicht mir allein.
Ihr
brennet nun, und bald, ihr Lieben,
ist
keine Spur von euch mehr hier.
Doch
ach! der Mann, der euch gesachrieben,
brennt
lange noch vielleicht in mir.
作詞 バウムベルク (Gabriele von Baumberg 1766-1839)
作曲 モーツァルト (Wolfgang Amadeus Mozart 1756-91)
KV520 演奏時間 約1分半
1718年5月26日 ラントシュトターセのゴットフリート・フォン・ジャカン邸の一室で作曲
女流詩人バウムベルク自身の失恋を詞にしたと言われている
◆ 構成と分析
c-moll 4/4 20小節
曲も詞と同じ、3部構成です。
第1部
1小節〜 6小節 6
第2部
7小節〜11小節 5
第3部
12小節〜20小節 7
【第1部】
1小節(前奏)→Luiseの意志(悩みを断ち切る思い。決然と)
2〜3小節→火をつけ燃やしている様子
4〜5小節2拍目まで→伴奏、左手の部分(付点の上昇音型+8分音符のオクターブ下降 3回)は炎が燃え上がる様子
geht zu Grunde 2回繰り返す→強い意志(うらみ)
5小節3拍目→伴奏部(2分音符p )Kinder 子供(手紙)に対する思い(躊躇)
6小節4拍目→手紙を投げ込む
【第2部】
7〜9小節→伴奏部左手のオクターブ上昇+右手の32分音符 炎が燃え上がっている様子と愛の炎が燃えていた思いが重なる
10小節 denn ach! 〜11小節→半音階進行(反行型) 裏切られたせつない思い
【第3部】
12〜14小節→再び燃え上がる
15〜19小節→それでも諦めきれない未練
17小節 lange (長く)は言葉を音符(2分音符)に表している
20小節(後奏)fの位置が前奏と違う→Luiseの意志だが、未練の中でふっきる様子
“火” “燃やす” “炎” などは、手紙を燃やす という行為を表しているが、“燃えるような愛” “愛の炎” などの情熱とかけている
うたの贈りもの(笹子)