◆ Adelaide
君の友人は春の庭をひとりさまよう 揺れている花の小枝の間でふるえている 愛らしいほのかな光にやさしく包まれて。 アデライーデ! 影を映す流れに、アルプスの雪峰に 沈んでいく夕陽に映える黄金の雲に 星をちりばめた大空に君の姿は輝く。 アデライーデ! やわらかい葉かげに夕べの風はささやく 銀色の鈴蘭の釣り鐘の花が草の中でささやく。 川波はざわめき、夜鳴きうぐいすは歌う。 アデライーデ! いつの日か…何て不思議なんだろう! 私の墓の上に咲き出てきた。 私の心の灰の一本の花が、 あざやかな、深紅の花がほのかに現れた アデライーデ!
アデライデ
Einsam wandelt dein Freund im Frühlingsgarten,
Mild vom lieblichen Zauberlicht umflossen
Das durch wankende Blütenzweige zittert,
Adelaide!
In der spiegelnden Flut, im Schnee der Alpen.
In des sinkenden Tages Goldgewölken.
Im Gefilde der Sterne strahlt dein Bildnis,
Adelaide!
Abendlüftchen im zarten Laube flüstern,
Silberglöckchen des Mais im Grase säuseln.
Wellen rauschen und Nachtigallen flöten:
Adelaide!
Einst, o Wunder! Entblüht auf meinem Grabe
Eine Blume der Asche meines Herzens*
Deutlich schimmert auf jedem Purpurblättchen:
Adelaide!
作詞 マティソン(Friedrich von Matthisson 1761-1831)
作曲 ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven 1770-1827)
Op.46 演奏時間 約6分33秒
1794-95年に作曲され、1797年に出版。
オリジナルのタイトルは「独唱とクラヴィーア伴奏のためのカンタータ」となっている。作品番号は後から付けられた。
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構成と簡単な分析
B-dur 4/4 → 2/2 181小節 演奏時間 約6分33秒
第1部
1小節〜69小節 69
第2部
70小節〜181小節 111
全体を通じてピアノが重要で情景描写をしている
【第1部】
前奏2小節 庭をゆっくり歩いている様子
38〜39小節 夕べの風の描写
40小節 そよ風の描写
41小節 夜鳴きうぐいすの描写
49小節 波の描写
その後も、「そよ風」「うぐいす」のモティーフが繰り返される
【第2部】
第2部は“奇跡の喜び”を表現している
102〜103小節 伴奏部もアデライーデを繰り返している
その後も、「アデライーデ」を繰り返す
歌の部分では、「アデライーデ」と14回繰り返す。